性の健康を守る ~支援のポイント性の健康について

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性の健康を守る ~看護職をはじめ、多くの関係者に知っていただきたい支援のポイント

若者の性行動が活発化している現在、性感染症の予防や望まない妊娠をしないための避妊法に関する情報を提供することは性の健康を守るためにとても大切です。
看護職はじめ多くの関係者が性に関する専門的知識や最新情報を持って支援してほしいと思います。

相談にあたっての心構えや注意すべきポイントをいくつか述べておきます。

性交は人間の基本的欲求として受け止めましょう

性交は悪いことではありません。むしろパートナーとの良い関係性を高めるのに有効です。
しかし、性交を開始する前に性感染症の予防や避妊に関する必要な知識を得ておくことが必要であることを伝えましょう。
また、若者がオーラルセックスや複数者との性交など多様な性行動をとるのは珍しいことではなく、同性愛者や性同一性障害などに対しても理解し肯定的姿勢で関わりましょう。

相談者の目線に合わせて相手の話に耳を傾けましょう

若者の持つ文化を理解し、自分の言いたいことをうまく表現できない場合でも、彼らの伝えたいことに耳を傾けましょう。
何を相談したいのか、どんな答えを求めているのか、相手の言葉一つひとつの意味を受け止めながらじっくり聴きましょう。
「そうなのね」「大変だったね」「よく相談してくれたわね」「それで・・・」など、相槌の打ちかたや引き出し方を工夫しましょう。

自分の価値観を押し付けずお説教はしないように

価値観の多様化した現在、相談者の人権を尊重し、あくまでも相談者の自己決定を支える態度を示しましょう。
お説教やあるべき論を話すのは、相談者の心を遠ざけて、あなたの話は耳に入らなくなってしまいます。

性の健康に関する情報を収集しましょう

日頃から性感染症や避妊法、性行動に関する知識を高めましょう。
特に性感染症の検査や治療については日進月歩の情報を科学的に伝えられるように知識を更新しましょう。
具体的に相談にのるためには、最新知識が必要です。関連学会の認定士制度もありますので、活用しましょう。

相談者との信頼関係を築くために

相談者が個人のプライバシーに関する性の相談を心から話せるのは、相手に対する信頼感が得られてからです。
ラポールの形成を意識し、座る位置、相談者との距離感、相手の話に真摯に耳を傾ける姿勢、優しく穏やかな視線、適度なスキンシップなど、相談者を心から支援したいという気持ちを伝えましょう。

知ったかぶりや上から目線は止めて共に考える姿勢で

相談されたことに完璧に答えようと焦ったり、わからないことをごまかしたりせず、相談者の聞きたいことにゆとりをもって接しましょう。
一緒に調べる姿勢や専門家に繋ぐことも大切です。

繋がりのできるネットワークをつくりましょう

相談者を紹介できる病院・医院、医師や相談仲間とのネットワークを作って、地域ぐるみで支援できる体制をつくりましょう。
相談者が来たら、その場で不安や悩みに答えるだけでなく、必要な検査や治療に繋ぐことが出来れば最高です。受診しようかどうか迷っている場合は、病院の医師を紹介されることで、少し背中を押された気持ちになり、受診する気持ちになります。
若者が病院やクリニックに気軽に行ける地域づくりを目指しましょう。