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厚生労働省"健やか親子21"
プロジェクトにおける"わが財団の役割"



性教育における"避妊からエイズ/性感染症予防"への方針転換を
財団法人 性の健康医学財団 会頭 熊本 悦明


"性のあるところ感染あり"と"妊娠の前にエイズ/クラミジアあり"
 思春期の性を論ずるとき、まず妊娠を考える人がいかに多いことか、ことに女性の方々にその傾向が強い。それは一般の方々のみでなく、医学関係者にもかなりそのような人が多いのには、驚かされる。
 その"旧態依然たる常識"が破られないのは、"Evident based medicine"(事実に基づく医学)、"Data based education(データに基づく教育)"という世界の流れの中で、誠に残念ながら、日本の性問題にかかわる人々の認識が"感覚的"なものから、"データ、情報的なもの"に、未だに切り替えられていないからである。
 このIT、情報時代に突入し、インターネット・テレビ・新聞・雑誌と、情報が乱れ飛んでいるにもかかわらず、案外、性感染症や妊娠に関する正確な情報が伝わっていない。また、先入観念に囚われていて新しい情報に耳を傾けようとしていないことから、"性問題"に関して情報がかなり"お話し的"、"感覚的"であって、"データ的"、"科学的"なものとして流されていない。このことが、わが国が性教育後進国といわれるような国際的に遅れを取っている、大きな社会的問題点といって過言ではない。
 10代女性の望まざる妊娠率を示す人工妊娠中絶率は、厚生省統計では1,000人中11. 3人、(1人/85人)となっているが、一方の10代女性の性感染症罹患率は、性器クラミジア感染で性生活を持つ女性は1人/10. 5人と8倍にもなっている。ことに性的生活を活発にもつ女子高校生では、1人/7人がクラミジア感染、子宮頸癌発生に結びつく可能性もあるといわれるヒト乳頭腫ウイルス感染が1人/4人というデータが出ている。しかも、それらの感染は殆ど無症候であり、また、感染例は健常者の3〜5倍もエイズへの易感性が高いとかいわれている。
 これほど妊娠より性感染症罹患率が高く、いろいろな諸問題を抱えているにもかかわらず、"思春期の性問題"を旧態依然たる"避妊中心"にする考え方なのは、何故かということになる。このような性感染症流行情報に疎いことのほか、もう一つ、妊娠の方が性感染症より重大であるからという反論が出てくる。では、妊娠に気をつければ性感染症が予防できるのか、または、性感染症にかかってもよいのかということになる。

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