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 かつて“性病”と言われていた時代は、感染した 人には何となく“不道徳”とか“不潔”とかというイ メージがつきまとい、殆どの人が感染することは恥 ずかしく、不名誉なこと、と考えていました。そし て、“自分はそんな不道徳なことはしない”ので、性 病には全く関係ないと、胸をはるのが、立派なこ と、品行方正のあかしのように受けと られていました。

 しかし、前述 のように、現 在流行して いる“症状の 出ない性感染 症”を、不道徳な 不名誉な感染と考えるのは、 すでに“偏見?”に近い程、性 生活をもつ一般の人々の間に広 がってきているのです。それ程 若い人々を中心に、現在の男女 の日常的な多様な性的関係の中 に、知らず知らずの間に症状の 出ない性感染症がひそかに入り込 んできてしまっているのです。

 ですから性交渉の時、いつも 正しくコンドームを使用して 感染予防をしっかり行っていな い限り、感染の危険の高いフーゾク街での遊びの性 関係でなくても、普通の、どのようなパートナーと の間でも、無症候の性感染症をうつされないという 保証はなくなってしまっているのです。

 このように一般の人々の性生活の中に、症状の出 ない性感染症がひそかに大きく広がってきており、 今や性生活を持つ人々にとって、性感染症は“国民 病”とか“性生活の生活環境汚染”さらには“性生活 の生活習慣病”と言える程までにもなっています。

 もはや性感染症は、特別な危険なフーゾク街で遊 んだ人々の罹る 感染症ではな く、性生活をも つ程の人な ら、すべての 人が感染の 可能性をもっ ているといって過言 ではありません。したが って、今までのように、性 病や性感染症に対する不道徳 とか不潔とかいう“偏見”を是非 なくしてもらいたいのです。自分は性感染症には関 係ないと信じていても、性生活をもっているなら、 性感染症の問題に無関心ではいられない筈です。不 潔なことという偏見をなくして、もしかしたら自分 もかかっているかも知れない、と考えるようになら ないと、性感染症の大流行を抑え込めない程の状態 にまで至っていることを理解していただきたいと思 います。
STDに対する偏見
 そこで心配なのは、若い人達が“そんなに皆が罹 るのなら、偏見は持たないけれど、逆にあまり特別 なことと思って気にすることもないのでは……”と考 えてしまうことです。そこが“大きな落とし穴”なのです。 これから説明するように、医学的に大変な問題が、身体 の内に徐々に進行しているのですから、それを十分理 解して、自らの性の健康を守るために、検査したり、予 防に努めることをよく知ってもらいたいのです。

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