| ■コンドームの正しい使用を
|
|
以上、性交渉で感染する性感染症の最近の話題を少し詳しく解説してみたが、現在我々が抱える性感染症問題がかなり深刻な影を日常の性生活の中に投げかけていることを理解していただけたらと願っている。
性交渉は感染症の伝達方式の中で最も密接な高率な病原微生物の伝達形式であるといってよい。例えば淋菌・クラミジアなどは、1回のコンドームなしの性交渉で1/3、2〜3回続けての交渉で、2/3は感染するとされている。しかも感染者の菌を含む膿汁の量が多く、また自分の性器の体調が悪ければさらに伝染性は高くなる。その予防のためには、やはりコンドームを粘膜接触の始めから(oral sexも含め)、最後までしっかり着用しなければならないわけである。
車に乗るには、安全のために、正しく運転できるように、必ず車の免許証を持たねばならない。それと同じ考えで性交渉を安全なものとするために、必ずコンドームを正しく使用する習慣を持つことが強く求められるのである。“車に乗るなら免許証、セックスするならコンドーム”なのである。男女ともに、性感染症が完全にfreeであると確認されている場合を除き、“相手を愛している”とか“信頼している”とか言ってるうちに、感染してしまっている人が如何に多いことか。今や、男女それぞれが、過去に何人かのセックス・パートナーを持っていることが珍しくない時代であり、男女とも真剣に自らの“性の健康”を守る意識を持って、積極的にしっかりと“正しいコンドームの使用”を心がけることが、無症候のウイルス性・性感染症時代を生き抜く必須条件となっている。ウイルス性感染症に対する医学的治療はないことを忘れないで欲しい。
クラミジアや淋菌などは、抗菌剤で治るからさほど心配しなくてもという人がいる。しかし本論文で累々述べたように、細菌性またウイルス性の性感染症が、一般人口の性生活の場に生活環境汚染のように侵入して来ている。どの性感染症に誰が感染してもおかしくない情況にある。そして例えばクラミジアぐらいに感染してもさして心配ないと言っていても、同じことをしていると他のエイズなどのウイルス性感染症にも感染しないという保証はないのである。
性感染症に対ししっかりした危機感を持つことが、“現代人に求められる自らを守る基本的なセンス”というべきではなかろうか。この点を最後に特に強調しておきたい。
|
文 献
| 1)
| 熊本悦明、塚本泰司、ほか:日本における性感染症(STD)サーベイランス―2001年度調査報告―日本性感染症学会誌 13; 147-167, 2002. |
| 2)
| 熊本悦明:この性感染症の現状を直視してほしい;日本性感染症学会誌 13; 14-20, 2002. |
| 3)
| 熊本悦明:性のある所感染ありー性感染症/エイズは増えている;メディコピア43;21-35, 2002. |
| 4)
| 熊本悦明:中学・高校における性教育を見直す時がきている;保健体育ジャーナル65;5-12. |
| 5)
| 今井博久、濱砂良一、熊本悦明:一般若年者の性器クラミジア感染:第15回性感染症学会発表 2002年12月(福岡). |
| 6)
| Takahashi S, Shimizu T, Takeyama K, Kumamoto Y, et al.: Detection of human papillomavirus DNA on the external genitalia of healthy men and male patients with urethritis. Sexually Transmitted Diseases, in press, 2003. |
| 7)
| 前田信彦、南 邦弘、熊本悦明、他:10歳代女子におけるHPV感染状況:第15回性感染症学会発表 2002年12月(福岡). |
|
|

|
Cabbages & Condoms Handicrafts (Thailand)
|