研 究 方 法

HIV感染がSTD的性格であり、それを一般市民に徹底的に認知してもらい、またHIV/STDへの危機感を確実に持ってもらうことが、現在本邦におけるHIV感染対策の最重点課題であると考えている。公衆衛生学的立場からすれば、HIV感染は罹患後では完治させるべき医学的対応がない現在では、感染予防こそがすべてに優先する対応ではなかろうか。

今までも、医学者または行政担当者によるHIV/STDの啓発活動は、それぞれの立場でそれなりに活発に行われていたことは事実である。ところが、その成果たるや必ずしも十分とはいえず、結果的にみて隔靴掻痒の感が深いと言わざるを得なかった。

そこで今回は活動方針の発想の転換をはかり、医学的情報を一般市民に分かり易く解説し、かつ充分に行き渡らせるために、各種情報メディアの積極的な協力を得て、新たな活動を展開すべく計画している。各種情報メディア関係者の間にも、次第に現在の本邦におけるHIV/STD動向が、容易ならざるものがあることを感ずる気運が流れ始めていることもあって、今回の計画ではかなり強力な協力・共同作業が可能になるものと信じている。

具体的な実行計画としては、次のようなことが予定されている。

1.      実際に情報メディア組織内で記事を書く記者の人々のための“HIV/STD流行の現状と問題点”を中心とした啓発的公開講座を可能な限り頻回に開催し、各種情報メディア(新聞・雑誌・週刊誌、またテレビ放送、ビデオなど)に呼びかけ、関係者の積極的な参加、取材に協力してもらう。その上で、その情報をそれぞれのメディアを通して繰り返し情報として流してもらい、一般市民の意識革命につなげていく。

2.      同時に、その講座シリーズにおける参考資料としてのHIV/STD関係の医学的情報を書き込んでパンフレットなどを用意し、的確な情報をジャーナリズムに流す。公開講座のビデオや啓発用のビデオも作製し、それを出席できなかった人々に可能な限り見てもらうように配布する。また、それを可能な限り一般市民の中へもそれらを配布出来るようにする。同時にそれらを読み、または見た人々にアンケート調査を行い、市民のHIV/STDへの理解度と危機感の分析をし、疫学研究を行う。

3.      情報メディアへの啓発活動と共に学校における性教育の現場においても、より具体的にSTDやHIV/STD状の現を伝達するよう、教育関係者との研究も進めていく。可能ならば、諸外国同様コンドーム使用に関する的確な指導を中学生時代から行うべきであるが、本邦の場合、予想される各種の抵抗を如何に排除し、実施していくかを検討し、実行に移すべく研究を重ねていく。まず若い人達に情報を伝達・浸透させるため、彼らが手に取易い漫画入り啓蒙書を作る。それを配布し、その反応を調査する。

4.      HIV/STDや各種STDに関する情報を集めたホームページを性の健康医学財団で立ち上げる。その手段を通して、殊に若い人々へのアプローチを計るべく予定している。

5.      また可能であれば、性風俗関係者へのアプローチも行い、コンドームキャンペーンを浸透すべく試みる。

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